「Brugada型心電図」さて、どうする?

2020年02月02日

Brugada症候群は致死的な不整脈(多形性心室頻拍や心室細動)を起こしうる重篤な疾患であるが、Brugada症候群のような心電図変化(いわゆる「Brugada型心電図」)を認める症例は稀ならず存在する。

(Brugada症候群と確定していない)Brugada型心電図でも、本物のBrugada症候群に準じた対応が必要と考える。

Brugada症候群と麻酔薬

全身麻酔の3要素に関する薬は、どれも比較的安全に使用できるとされる。

局所麻酔薬に関しては、レボブピバカインやロピバカイン以外のもの(リドカインなど)が好ましい。

Brugada症候群と自律神経系

自律神経系の不均衡は致死的な不整脈を誘発しうる。具体的には以下のような条件

  • α作動薬
  • β遮断薬

  • 副交感神経刺激薬

α作動薬(フェニレフリン)やα作用優位のカテコールアミン(ノルアドレナリン)は心疾患の既往がある患者に使いやすいイメージがあるが、Brugada症候群では逆にリスクが高いというのが特徴的。

致死的な不整脈が起こった場合に有効な薬はイソプロテレノール

Brugada症候群と相性のいいカテコールアミンはドブタミン(β優位)。

アトロピンには致死的な不整脈のリスクを下げる効果があるかもしれない。

Brugada症候群と相性の悪い条件

致死的な不整脈を誘発する条件は

  • 洞性徐脈

  • 体温の変化

  • 高K血症

  • 低K血症

  • 高Ca血症