もしも術中に肺塞栓がおきたら

2020年02月06日

発症する前に把握しておくべきこと(PIOPED Ⅱ study)

以下の条件は肺塞栓のリスクファクターである。分類すると・・・

しかたのないもの

  • 年齢
  • 女性

DVT (Deep vein thrombosis) 関連

  • 血栓性静脈炎
  • PE (Pulmonary embolism) の既往

  • 中心静脈へデバイスが挿入されている場合

動けていない場合

  • 3日以上動いていない場合

  • 直近1か月以内に4時間以上飛行機に乗っていた場合

  • 直近3か月以内に手術を受けた場合

  • 外傷

  • 麻痺または不全麻痺

  • 脳卒中
  • 心不全

慢性疾患(喫煙含む)

  • 悪性疾患

  • COPD

  • 喫煙

急変しPEを疑った時に把握しておくべきこと(Wells Criteria)

以下の項目からポイントを導出する

1ポイント以下:発症確率は低い

2から6ポイント:発症確率は中等度

7ポイント以上:発症確率は高い

  1. DVTの臨床症状 3ポイント
  2. PEが最も疑わしい 3ポイント
  3. 心拍数が100 bpm以上 1.5ポイント
  4. 動けない、もしくは術後4か月以内 1.5ポイント
  5. DVTまたはPEの既往 1.5ポイント
  6. 喀血 1ポイント
  7. 悪性疾患 1ポイント

術中での確定診断は心エコー

右心系の異常を察知する

  • RV拡張
  • 収縮期に心室中隔が左室側に動く

PEと診断した時に把握しておくべきこと

まず未分画ヘパリンを80U/kg bolus (体重60kgで原液5ml)

その後、18U/kg/hでinfusion(体重60kgで原液1ml/h)